WritingWrite's Note

松田優という名前の、物書きのはしくれのブログです。

右脳仕事と左脳仕事を分けて文章の書き方を考える

毎日とっても楽しく過ごしております。

あまりにも楽しすぎて食事が喉をとおらず、半月ほど前に液体栄養食デビューしました。

ふつうにおいしいです。

ふしぎなのが、健康のためにちゃんと食べなきゃって思っていたときより今の方が元気なこと。ネガティブストレスフリーで生きるって一番の健康法なのかもしれません。

壺を叩き割る陶芸家、原稿用紙を丸める小説家

2冊目の方も原稿がまとまってきまして、「よし、この構成であとはブラッシュアップ!」というところまで来ました。

昨日はそこからちまちま微調整していたのですが納得がいかず、印刷したものを読みながら寝落ちしました。

さいころは、ドラマとかで陶芸家の人が「納得がいかん!!」と言って自分がつくった壺とかを壊しちゃうシーンとか、小説家の人が「こんなんじゃないんだ……」と言って原稿用紙をぐちゃぐちゃに丸めてじたばたするシーンとかを見て、「何もそこまでしなくてもいいのに」と思っていましたが、大人になって気持ちがわかるようになりました。

頭の中で自分が読んでいるものと自分が書いているもののギャップがものすごく気持ち悪い。

こういうのって芸術家、モノづくりをする人だけと思われがちですが、そうでない方でも日常的に感じているんだろうな、と、私は思っています。

「私、話すのは得意なのに文章は書けないんですよ」

……とおっしゃる方は大変多いです。

「話せている」ということは、考えていることの言語化に成功しているということ。

言語化の成功」とは、他人に自分の考えていることが伝わったということ。

では、それをそのまま書き起こせば文章になるはずなのに、「何かちがう」となる。

何がちがうのかわからないから直せない。直せないから「書けない」という結論に至るのかな、というのが、私の予想です。

文章の書き方を学ぶことで陥ってしまう「書けないパニック」

「書けない」けど「書きたい」、だから「文章の書き方を学ぶ」という行動に至る。これが一般的な対処法?ですね。

けれど、学んでも学んでも書けない。

日本語として間違っていないはずなのに、キレイな文章なのに、何かちがう。何がちがうのかわからない。

「自分には才能がないのか!?」

……と、パニックに陥っている方をたまにお見かけします。

私はこれを「書けないパニック」と勝手に呼んでいます。

これって、「納得がいかん!!」と言って壺を割る芸術家の気持ちと同じです。

それなのに、芸術家が「納得のいく作品を作るために取る行動」と、文章を書きたいと思う方が「納得のいく文章を書くために取る行動」は、大きく異なります。

右脳仕事と左脳仕事、自分が求めている完成形はどちらかを知る

前者は「自分が納得のいくものを作るために試行錯誤を繰り返す」で、

後者は「他人が納得するものを作るためにテクニックを学ぶ」です。

私は前者の書き方を「右脳仕事」、後者の書き方を「左脳仕事」と呼んでいます。
(私が勝手に呼んでいるだけなのでほんとうにそっちを使っているのかは知りません)

どちらが正解というわけではありません。「何を持ってして完成度の高さとするか」という基準がちがうだけです。

伝えたい気持ちが強い人ほど書けないパニックに陥る

無意識に前者の完成度指標を持ちながらそれに気付かず、後者の方法を取ると、パニックになってしまいます。どれだけ努力しても「書けない」からです。

自営業をされている方、セミナー講師をされている方にこうした現象が起きやすいのでは、というのが私の感想です。

オリジナルの考え、気持ちがとても大きいから、それを何とかして第三者に伝えたいと願っているのに、読んでみると何だか伝わらない気がする。

そういうときは文章テクニックを学ぶところから一度離れて、「なぜ納得がいかないか」を追及した方が結果が出やすかったりします。

伝えるために文章を崩す

私はライターとしてあらゆるジャンルのお仕事をいただいてまいりましたが、「さすが文章のプロ」と言われることもあります。自慢です。

けれど、私の日本語はそんなにきちんとしたものではありません。ものすごく崩しますし、造語や言葉遊びが大好きですし。

それでも評価していただけるのは「何を表現するために書くか」という目標を間違えずに定められているからだと思います。

表現のために崩す、表現のために遊ぶ。そうした方が伝わる文章になります。

文章のわかりやすさは文章のうつくしさだけでは決まらない、というのも持論のひとつです。

「賢く思われたい」という自意識ハードル

そういう文章を書くと少しあほっぽく見えますから、「賢いと思われたい」自意識が邪魔をしていた時期もありました。

「恥をかくことが書く人間の仕事のひとつだ!!」と開き直ってから、仕事の幅が広がりました。自意識ハードルを越えた瞬間でした。

このブログも崩しに崩して書いていますが、先日友人から「さすがプロだ、俺にはあんな文章は書けない」という感想をもらいました。自慢です。

文章ってそういうものです。

左脳仕事テクニックで右脳仕事記事をわかりやすく

ブログや説明文書といった左脳仕事系記事は、この記事のように見出しを活用するとわかりやすくなります。文章を書き直さずとも、記事構成を変えるだけでわかりやすくなったという事例もあります。

記事構成テクニックは左脳仕事系テクニックです。内容の整理整頓術という感じです。

右脳仕事系記事を左脳仕事テクニックで整理すると、オリジナル度が高くてわかりやすい文章が作りやすい、と思っています。

「書けないパニック」になってしまったときは、記事構成全体を見直してみるのもひとつの手段です。

突然こんなブログ記事を書いた理由

自分の原稿を書いていて、別の自意識ハードルの存在に気付きました。

「自意識で気持ち悪くなる部分は読み返さずに1から書き直す」という手段で越えられました(と思っている)が、自意識ハードルっていろいろなところにいろいろな形であるな、という気付きがありました。

これをアウトプットしないと別のことが考えられないという状況に現在陥っていること、「書けないんです」という相談をよく受けるのでいつかお応えしたいなと思っていたことをまとめて実現する記事を書こう、と思い至りました。

ただ、私が書くことは「持論」でしかありません。「そんなことないぞ」とおっしゃる方もいるでしょう。十人十色ということでご了承いただければ幸いです。

 

趣味を仕事にしてしまったがために、文章を書く息抜きに文章を書く、という奇妙な生活を送っています。これを公言できる今の生活、ものすごく楽しいです。

こんなことをだらだら書いていたら、何の前触れもなく食事用テーブルに置いてあった愛用のボールペンが転がり落ちました。早く仕事に戻れということだと思いますので、戻ります。